森の生態系の不思議なこと 

森の作業中に気づいたことや見つけたことについて解説します。

 

切り株に見られるスジについて 

 
木を伐倒した後の切り株に、年輪とは別に不規則なスジが見られることがあります。
スジの色は、黒や褐色、場合によっては赤も見られます。
これは"菌"の感染が関係しています。
 

まずは、菌とは

 
"菌"とは、カビとキノコと酵母を含むグループで、"細菌"とは異なるものです。"菌"と"細菌"は一字しか違わず、表記がとても似ています。しかも、微生物とひとまとめにして言ったりもします。だから、油断するとすぐに混乱してしまいますが、この二つは相当に異なります。
"菌"は、分類学では菌界と言い、動物界、植物界とならぶ3大高等生物界の一つです。
 
我々動物には、"細菌"が付き物です。"細菌"は、病気だけではなく、健康や長寿にも関係することが最近話題になっています。ちょうど同じような関係が、植物と"菌"にみられます。
 

菌がスジを作る

 
"菌"が何らかの原因で樹木に侵入すると、その境界にスジが生じます。
"菌"が侵入するとどうしてスジになるのか、その詳しいことについて、面白い説明を見つけたので紹介します。
 
"菌"は不思議な方法で新しい遺伝子を獲得します。異なる"菌"が出会うと、まず細胞同士で融合して両方の遺伝子を獲得します。そのあと、生きて行くのに都合の悪い組み合わせだったことが判明すると、融合した細胞が死滅します。そして、近くの細胞が色素を作ります。だから、異なる"菌"の出会った境界線がスジとなって見えるようになります。
 
"菌"の感染が進んで行くと、やがて材は劣化しますが、スジができた時点では材の劣化は起こりません。そこで、このスジを模様として楽しむこともできます。人工的に菌を感染させ、模様を描かせた上で、工芸品を作るという独特の技術がイギリスにあるようです。青緑色もあるそうです。
 

ここで紹介した説は、例えば ”Tunbridge ware” と “spalting” のキーワードで検索して、21st Century Guidebook to Fungi (D. Moore, G. D. Robson, A. P. J. Trinci, Cambridge University Press) のページを見れば原文とともに写真も見られます。
 
 

少し注意してみると結構見つかります。

 
先日、小田原でヒノキの椀を入手しました。少し変わった影のような模様がありました。何度も見ているうちに、もしかしたら"菌"の感染による模様かなと気づきました。皆さんも、変わったスジや模様の入っている木工品を発見したらご一報ください。
 
最近、職場のエゴノキの切り株でスジを発見しました。その写真を紹介します。さまざまなスジが見られます。"菌"の感染が進んでいたために伐倒されてしまいました。
 

 
Pickup Forest Note
お日の森くらぶ会員
わくわくビレッジ森の会会員
森林インストラクター東京会会員
        八代 盛夫
 
 
ヒノキのスジ模様を利用して作ったこけしと山車の作品例

■お日の森フィールド

JR高尾駅を降りてから歩いて約15分の所にお日の森があります。 ここにはまだアナグマや狸そしてイノシシが住んでいます。
沢もありますがいまではほとんど涸れており普通は水が流れていません。 過ってこの沢にはたくさんの沢蟹がいました。 森の中にはたくさんの蝶などの昆虫が飛び回っていました。
私たちは昔のような豊かな生物が生息できるような森への再生を目指して活動しています。

【くらぶの目的】

・60年間放置された雑木林を市民のボランティアと西浅川山林組合が協同で手入れすることにより、かつての美しい雑木林の復元を図り、共有の資産として将来に残す。
・都市住民の子供達や近隣住民の自然体験の学習や遊びの場に活用出来る事を目的に計画作りと整備を行なう。

【イベント参加申し込み案内】

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【活動場所】 

八王子市西浅川町156-1及び2(西浅川山林/通称“お日の森”)2.87ha JR高尾駅・京王線高尾駅 北口より徒歩約15分

【定例活動日】毎月 

■お日の森:第2火曜日&第4日曜日
■駒木野:第2土曜日